Enjoyed this article?
Support Sayonara

Translation pending
解約の道案内を個人で作った理由
Enjoyed this article?
Support Sayonara
前の職場で、サービスの規模を示す数字として「延べユーザー数」が使われていました。
延べユーザー数は、これまでに登録した人の累計です。
そこには、すでにサービスを使わなくなった人も含まれています。
数え方としてはおかしなことではありません。
ただ私は、その数字を見るたびに考えていました。
入った人はこんなに丁寧に数えるのに、離れた人はどこにいるのだろう。
しばらくして、「ダークパターン」という言葉を見かけるようになりました。
オンラインの画面で人の心理を誘導し、事業者に都合のよい行動をとらせる作り方のことです。
登録のときは入口が大きく、解約のときは入口が奥にある。
そんな作りも、この中に含まれます。
消費者庁は2025年に、国内の102のウェブサイトを調べた結果を公表しています。
解約や退会を難しくする「キャンセル困難」に当てはまったサイトは、38。
(出典:消費者庁「いわゆる『ダークパターン』に関する取引の実態調査 リサーチ・ディスカッション・ペーパー」, 2025年)。
さらに2026年8月には消費者庁の有識者会議が、広告・契約・解約の各段階に規制を設ける案を示しました。
来年の通常国会への法案提出を目指すと報じられています
(出典:秋田魁新報, 2026年8月24日)。
延べユーザー数への違和感と、この流れが、私の中でつながりました。
入口と出口は、同じ重さで扱われていない。
そこで、ふと思いました。
「やめたい」と思った人を助けるサービスは、世の中にどれくらいあるのだろう。
考えてみれば、当たり前のことでした。
企業にとって、解約は利益が減る場面です。
そこに力を入れて道案内をする理由は、あまりありません。
利益を追うのは企業として自然なことです。
ただその結果として、出口の道案内は空白になりやすい。
空白があるなら、利用者の側に立つ道具を作れないか。
そう考えました。
もう一つ背中を押した理由があります。
セキュリティです。
使っていないサービスのアカウントは、放っておくと情報が漏れるかもしれない入口になり得ます。
昨今のセキュリティ情勢を見ていると、使わないアカウントを消すこと = 身を守ることだと感じます。
サブスクを止めることも、アカウントを消すことも、お金だけの話ではありません。
それなのに、やめるためのページが見つからない。この矛盾が、一番もったいないと思いました。
そうして作ったのが、Sayonara(さよなら)でした。
使い方は3つ。
解約したいサイトを開き、ボタンを押し、「解約したい」と入力します。
すると、そのサイトの解約ページ・退会ページ・お問い合わせ先の候補がそれっぽい順に並びます。
候補が見つからないときはサイトの中を自動でたどって探します。
それでも見つからなければ、ワンクリックで検索できます。
今は解約・退会・お問い合わせに加えて、メール配信の停止、支払い方法の変更、プランの変更・一時停止、データの書き出し・削除の依頼まで、8種類のページを探せます。
決めていることが、3つあります。
最後のボタンを押すのは、いつも利用者ご自身です。
候補の正しさは、AI の判定だけでは決まりません。
開いたページが合っていれば○、違えば×を押してもらいます。
○が集まったページは「みんなが確認済み」として、次に同じサイトで困った人にすぐ表示されます。
自分で解約ページにたどり着いたときは、そのページを答えとして登録することもできます。
延べユーザー数のように、入った人を数える数字ではありません。
次に迷う誰かの道を、少し短くする数字だと思っています。
正直に書くと、すべてのサイトで解約ページが見つかるわけではありません。
使う人がまだ少ないため、○×で確認済みのサイトも多くはありません。
見つからなかったときは、検索ボタンや、ポップアップの一番下のフォームから教えてください。
教えてもらった一つひとつが、Sayonara を育てる材料になります。
やめたい日にやめられる。
それは本来、当たり前にできるべきもののはずです。
私は、入口と同じ重さで出口が扱われる世界を、少しだけ近づけたいと思っています。
現在Sayonara は無料で、登録も不要です。
ずっとやめたかったサービスが1つでもあれば、そのサイトでボタンを押してみてください。
Sayonaraがお手伝いします。
▼Chrome ウェブストアの Sayonara https://chromewebstore.google.com/detail/clakdpihjjgcdgdceenpnebogahonnbb?utm_source=story
見つからなかったサイトの声は、X(@Sayonara_dev)でも受け付けています。