Tsukutta

五億年ボタン 開発記録

どのように設計・開発したのか、記録を残しておきます。

Chris2026年6月17日公開
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五億年ボタン

自己紹介

はじめまして。五億年ボタンゲームを遊んでいただきありがとうございます。

開発者のChrisです。幸運なことにtsukuttaのサイトで多くの方に遊んでもらっているので、備忘録も兼ねて、どのように設計・開発をしたのか、簡単ですが紹介したいと思います。

私はこれまでゲーム開発などやってことはなかったのですが、ClaudeCodeに出会い、なにかゲームを作ってみたいなと考えていました。

もともとクッキークリッカーが好きで、なにかそのようなインクリメント系のゲームを作れないかとぼんやりアイデアを練っていたところ

「五億年ボタン」を押したあとをゲーム化できるのではないか、とひらいめいたのです。

どんなふうにアイデアを練ったのか説明したいのは山々なのですが、思いついてしまったものは仕方ありません。アルキメデスが「ユーレカ」と天啓を得たようなものでした。

Claudeとアイデアをブラッシュアップ

5億年ボタンをモチーフに、時間を消費していくインフレ系のゲームを作ってみたい。設計やプラン、方針などを相談させて

いきなりゲームを作りはじめてもうまくいかないので、まずはClaude(チャット)と会話しながら方向性やアイデアをふくらませていきます。

ここで喋りながら思いついたストーリーや仕掛けがたくさんありました。

時間そのものを通貨にしたい。で、時間を消費してちょっとずつ高度なことができるようになる。最後には文明を起こして、自分が神様になって、作った5億年ボタンを誰かに渡すことでゲームクリアになるような。

自分のなかで見えていたイメージはこれだけです。

ですが、この情報だけで、Claudeはゲームの流れの骨子を提案してくれました。

Phase 0: 虚無
意識のみ。できることは「数える」「考える」「想像する」程度。コストは秒・分。原作モチーフを一番強く感じるパート。

Phase 1: 自己の創造
身体・感覚を作る。コストは年単位。

Phase 2: 世界の創造
大地、空、光、水を組み立てる。千〜万年。

Phase 3: 生命
微生物→植物→動物→生態系。百万年単位。

Phase 4: 知性
人類(的存在)を生み出す。数千万年。

Phase 5: 文明
文明が自動で発展。プレイヤーは神として観察・干渉。ここで放置ゲー要素が一番強く効く

Phase 6: 神化
信仰を集めて神格を獲得。神の力を蓄積。

Phase 7: ボタン製作
文明の知識と神の力で5億年ボタンを作る。ここで「自分も…」の気付きが来る。

Phase 8: 継承
誰かに渡してクリア。

最終的には調整したものの、これでクリアまでの流れが明確になりました。

エンディングは選択肢アリにして、2周目の特典となるレガシーシステムを取り入れたい。手にした5億円で能力を買うイメージね

エンディングが見えたことで、レガシーシステムを導入するアイデアを掘り起こすことができました。AIとのブレストはテンポが早く、かなりこちらの意図を汲んでくれるので、すごく優秀な編集者と話しているような気分になります。

エンディングとレガシーはいいね。クッキークリッカーやほかのインフレゲームを参考にして、とにかくインフレが加速していくアクションや装置(アイテム)を考えないとね。あと、それらを表現するデザインをどうするかなどもね

ほぼ丸投げですが、こんな無茶ぶりにもとうぜんイヤな顔ひとつせず応じてくれます。

Phase 0: 可能性空間

  • 行動(クリック): 歩く / 考える
  • 装置: 思考、夢想、瞑想、独白、空想
  • 単位: 秒〜分

Phase 1: 物質生成

  • 行動: 水を出す / 食を出す
  • 装置: 椅子(全体x1.5)、火(自動生成)、道具(クリック強化)、衣服、住居
  • 単位: 時〜年

Phase 2: 環境構築

  • 装置: 大地、空、光、海、風
  • スケールが一気に上がる(手の届く範囲 → 世界規模)

Phase 3: 生命

  • 装置: 微生物、植物、昆虫、動物、生態系
  • ここから「数で押す」感覚(微生物は10億単位)

Phase 4: 知性

  • 装置: 原始人、村、言語、文化、神話
  • "生み出した存在が勝手に時間を生む"段階

Phase 5: 文明

  • 装置: 都市、国家、帝国、技術、思想
  • イベント: 戦争 / 平和 / 大発見(一時バフ・デバフ)

Phase 6: 神化

  • 通貨が変わる(時間 → 信仰 → 神性)
  • 装置: 神殿、預言者、奇跡、教義

Phase 7: ボタン製作

  • すべてを統合する最終フェーズ

各フェーズに装置を 5〜7個 ずつ用意して、合計40装置くらい。MVPはPhase 0〜2(計15装置程度)で出して反応を見るのがおすすめ。

MVPを作る

そんなふうに内容やデザインの方向性を相談し、いよいよ実装に移るため、ClaudeCodeに引き継げるように指示をしたところ、

むしろ提案したいのが、これ: 今このチャットで、僕がPhase 0のプロトタイプを直接作ってしまうのが最速です。具体的には: 1. このスレッド内で動くHTMLファイルを生成(create_fileツール使用) 2. ダウンロードして手元のブラウザで開く 3. 触ってみて「数値感が違う」「ビジュアルもう少しこう」とかフィードバック 4. ここで2〜3周してMVPの形を固める 5. それ以降の継続開発(Phase 1以降)は手元のClaude Codeに移行 このやり方だと、最初の手触り確認まで30分くらいで届きます。Claude Codeに移すのは「土台ができてから」のほうが、全体像をつかんだ状態で細かい指示が出せて効率いい。

とのことだったので、そのままチャットにMVP(プロトタイプ)を作ってもらいました。

驚いたことに、ほぼもう完成形です。

ここまで来たらもう勝ったも同然と思っていたのですが、ここからが長かった……。

クリアタイム(アイテム)の調整、表現やデザインの細かな改修、外国語版の実装、OPの実装、エフェクトのチェック、スマホ版のデザイン確認……

とにかくまず、Phase0の画面を完璧にしてからその後の開発に着手することを目標にしていました。

なぜなら、ClaudeCodeにはサブエージェントという便利な機能があり、これを使えばPhase1〜7まで並行して開発ができるからです。

そんなこんなでなんとか納得のいくPhase0の画面を作り上げ、予定どおりサブエージェントが一気にその後のPhaseを作ってくれました。ここがいちばん気持ちよかったですね。AIでレバレッジを効かせている感覚は病みつきになります。

ただ、指示が悪かったせいで仕様が統一できておらず、あとで統合作業が鬼のように面倒だったのですが……。

自慢したいのはOPで、挨拶を選ぶとそのまま言語を選べるようになっています。さらに、ボタンを押す画面で終わるので、そのままゲームでもボタンを押す自然な導線ができているのです! こういったこだわりがゲームを良くするポイントかもしれませんね。

公開する

そんなこんなで毎夜、開発を重ね、苦戦すること1ヶ月弱。

ようやく完成品にたどりつくことができました。プロトタイプは数時間で完成したのに、作品として仕上げるのは超大変。

せっかく苦労して作ったゲームなのだから、できるだけ多くの人に遊んでもらいたい! というわけでふたたびClaudeに相談してみると、Redditやitchで公開しなさいと、知らないサイトのことを教えてくれました。

指示されるがままにアカウントを作り、Reddit(海外の大手掲示板)とitchに掲載。英語は全くわからないのですが翻訳からなにからすべてやってくれるので助かります。

ゲームのコンセプトを事前に相談していたので、そのへんのニュアンスも全部わかったうえで説明書きなどを作ってくれました。正直、AIなしでは何も出来なかった……。

Redditでは「AIのクソゲームが!」とボロクソに叩かれたりもしましたが、itchでは好評で、4,000人近くが遊んでくれました。とくに最初期にコメントをしてくれた人たちはバグの報告も多く、それでも温かいコメントをくれたのですごく励みになりました。ゲームってワールドワイドだなと感動しました。

並行して、自分のXのアカウントや、tsukuttaにも投稿してみたところ、ありがたいことにランキング上位に表示されています。日々増えていく、◯人が遊びました、という表示を見るのが楽しみです。

これからもなにかしらゲームを作って公開していきたいと思いますので、ぜひ遊んでもらえると嬉しいです。ここまでお付き合いいただき、ありがとうございました。

実際に使ってみる

五億年ボタン

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